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July 23, 2005

小林古径展を見てきました。

以下、あくまで「イメージ」ですよ。根拠も何もないですよ、あくまでワタシの個人的妄想ですよ。

【もし「院展新古典派三羽烏」が動物を飼っていたら】

・前田青邨の場合・
犬、でしょね。それも柴系の富士額な茶色の犬。一日仕事終えましてね、画室から出てきて「あぁ、今日は絵の具が気持ちよくのびたなぁ(^^)。」なんて言いながら、茶の間に向かう途中の縁側に腰掛け、「おぉよしよし(^^)」って愛犬のアタマをニコニコしながらなでてやる...そんな感じ。

・安田靫彦の場合・
う〜ん...古梅の植わった庭を見渡す縁側に籐椅子を置き、それに端然と座してやってくる小鳥を、優しいながらも深い目で眺める。横には白くって赤い首輪に銀の鈴を付けた日本猫が「正座」して控えている...そんな感じ。

・小林古径の場合・
特に何も飼ってはいなさそう...吉田五十八設計の新興数寄屋な自宅の庭に降り、小さな虫たちの営みや、やってくる小鳥をじっと、飽きもせず何時間も何時間も凝視する...そんな感じ。

ちょっと、怖いイメージ持ってるんです。古径には。ワタシf(^ー^;。あんまりにも鋭い感じがして、近寄りがたいぐらい典雅で...絵を見てっと、画面の奧から古径の視線感じるよな...でも、名手です。あの線描は出鱈目に凄いです。あんまし出ない若い頃の模写も出るしってんで、先日出かけてきましたよ、東京国立近代美術館まで(^^)。


で、会場に入りますと、初期の作品からずら〜っと。あれ、なんかイメージが違う...こんなにふくよかだったっけ?。別に悪いってんじゃないです。それに「これホントに20そこそこかぁ(@@;。」なんて作品たくさんありましたしね(^^)。
にしてあれです。やっぱ日頃、なにを書くにも筆を使っていた時代の、妙な言い方ですが「毛筆のねいてぃぶすぴぃかぁ」さんの、しかも名手のバカテクはもぉ半端じゃないですね。こないだ静岡で見た清方の技術にもあきれかえったモンなぁ...。

そんなことが顕著にでるのが、修行時代の模写です。脱帽です。ロットリングどころかアートナイフで入れた切り込みのよな、鋭く、細い太いの一切無い線。しかも動きやら勢いがあります...いっぺん古径が線書きしてる映像を見たことがあり、それによると穂先5cmあるよな面相筆で、毎分1cmぐらいの速度で引くんです、この人。そんなん見てますからね、やっぱもんのすごいは(^◇^;)。
欧米研究留学時のスケッチや模写も出てましたが、ありゃスケッチかぁ?本画ぢゃねーのか?。迷ってる線が一本も無くって、輪郭を一撃で確実に仕留めてやがんのフキフキ ""A^^;。
青邨との共同模写「でん こがいし筆 じょししんずかん(漢字が出ない...ま、図書館で調べて下さい)」の実物は初めて見たけど、こんなん異国の博物館の、日もささん収蔵室で毎日やって、「あぁ今日も良い勉強が出来て楽しかったなぁ」っつってたってっんですから...はぁぁ...。

んで、前に山種で見たときは「線」が印象的だったけど、今回は「黒」がヤケに印象的でしたです(^^)。そう、「色としての黒」。
画面で効いてるよな気がするですよ、この人の黒。構図を明確にしたりするためにも使うようですが、昭和に入りますと黒ったって紺っぽかったり艶があったりなかったり、厚かったり薄かったり自由自在。
「清姫」が暗黒面!?に入るに連れ、むらむらと湧き上がる黒雲の艶のぐらでーしょん、その真ん中にすっと横に伸びる彼女の艶々とした黒髪。「髪」の座って髪を梳かれている女性の横に伸びる髪と、梳いている女性の縦にながれる髪の対比。宗達風!?の「黒兎」のフワフワ感と立体感を黒一色で表現しちまうトコロ。おなじよに、黒一色?で見事に立体感を出してしまっている「茄子」....見事、というしかないや...。

普通は、こんだけの展覧会ぢゃ、"若気の至り"が混じってくるモンなんだけど、今回はないなぁ。国立近代だからってのもあるけど、こりゃ描いた本人の求道的な姿勢のなせるモンなんだろなぁ...そのへん御舟と似てんのかなぁ...どっちも吸い込まれそな怖さあるし...。なんて単眼鏡もって会場を、気が付いたら2時間近くウロウロしてましたです。腰痛いし、単なる素人なのにね、ワケわからんクセに(^_^;)。

今回の「お持ち帰り」は「茄子」だな、うん、あれ欲しいなぁ...あ、ウチ床の間ないや(^◇^;)。

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Comments

「髪」つーと、切手趣味週間シリーズで有名な絵ですね。

古径邸って、今は上越市に移築されていますが、もともとは大田区馬込にあったって・・・副業先の近所じゃない。

と言うわけで、探しましたら「馬込文士村ガイド」にも載っているそうでして、
http://club.pep.ne.jp/~nobeta/asansaku-repo.html
にもあります。萬福寺のそばだったんですね。

それにしても
「古径ガーデン」とか
「犀星マンション」とか
近所に変なもの(笑)が多いですわ。

町工場だけでは無いっすネ>>大田区あなどりがたし

Posted by: akira isida | July 24, 2005 at 12:34

>isida様
古径邸は、平成の始めに解体されてたと思います。設計も設計ですが、内部の電灯金具とか釘隠もそりゃぁ見事なモノでした。
解体後は建設会社の倉庫で保管されておりました。以前の仕事で、仕事してたトコロには土地はあるし、購入移築して、収蔵庫別棟で作り足して美術館にしちまおうかって話しが出て、真剣に企画書書いたり費用試算(なんだかんだ移築費こみで「ひとけたぜんはんおくえん」単位だったっけ。でも吉田五十八の作品がそんなもんで買えるなら...)したりもしましたけど....はぁぁ...。
でも、あの名建築が古径の生まれ故郷に帰ったんだから、一番よかったと思います(^^)。

Posted by: 1sugi | July 25, 2005 at 06:24

>isida様
書き落としましたが、「髪」ってそーです。切手になった絵です。さすがisida様、よくご存じでいらっしゃる(^^)。中村岳陵の...あの貴婦人が双眼鏡もって気球眺めてるのもありましたね...作品名出てこないけど...子供時代に居たってだけだけど、岳陵は一応静岡は下田市出身なのに(^_^;)

ご教示いただいたURL、さっそく覗いてみました(^^)。そーですか...今はマンションですか...犀星の家もねぇ...森茉莉の文章に良く出てくるけどなぁ...昔の根岸とか馬込ったら、京都で言うと北山や嵯峨野みたいなモンだったんでしょうねぇ...。

Posted by: 1sugi | July 25, 2005 at 08:41

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