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September 06, 2007

雨宿りしながら考えた。

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2007.9.5。東京藝大美術館の「金比羅宮 書院の美」と東京国立博物館の常設展示を見に出かけ、東京文化会館の「軒先」にて雨宿り中におもへらく...

Top画像奧の国立西洋美術館本館を、仏蘭西本国等に残る他の作品とあわせ「ル・コルビジェの都市建築作品」というカタチで世界遺産登録しようという動きが仏蘭西にあり、日本も協力しようかっちゅーハナシがあるそーでし。



そりゃ別にいいんですけどね...ただ世界遺産に登録される条件として、所在する国の文化財登録が必要なのですな。ほいで、日本が近代建築を重要文化財指定する際の条件の一つとして「築50年経過」ってのがあるとされてます。んでもって本館は1959年4月開館だから、ちみっと足りてない...今回は事情が事情だから「をまけ」してやろーかってハナシにもなってるらしく...「みぃはぁ」だけど同時にイシアタマな部外者のワタシとしては、そこいらへんモノスゴク面白くないです(--;)。

確かに国立西洋美術館本館はコルビジェの設計でございます。国立西洋は上野の森のモダンな美術館として多くの人に親しまれています。中核となってる旧 松方コレクションは仏蘭西近代美術でございます。美術館の設立経緯にも仏蘭西国が関わっております。仏蘭西国がリストアップするには充分なモノであります...けどさ、けどさ、けどさ...。

みんなが楽しく親しんでる新鋭の展示スペースはコルビジェ設計ぢゃないです。新館は前川国男で企画展示館は前川建築設計事務所です。ってか本館だって設計監理は前川国男,板倉準三,吉阪隆正というコルビジェの弟子にして日本のモダニズム建築の大家達。ほんでもって全ての建物を地盤から絶縁するっちゅー日本初の免震レトロフィット工事だってやってるのにさ...

作品も解りやすいトコでいったらここのロダンの「地獄の門」のシリアルナンバーは「1/8」。最初に石膏原型から起こしたモンです。最高の免震台に乗せての屋外展示で誰でもタダで見られるようにして...

こんなに大切に守ってるし、みんな楽しんでるのに「フランスからの働きかけ」で「本館のみ」を「特別な配慮」で重文にってどーなんだろ???。機能としては一体なんだから本館だけってのはどーなんだろ???。新館,企画展示館をも含めたらイケナイの???。

これを機会に日本の近代建築の名品が重文指定を受けやすくなり、末永く伝えられ永く永くみんなに親しまれるようになればいいんだし、守るに値する建物だから手間暇かけて来たんだろうし、今ひとつ知名度が低い日本の建築家のクローズアップに繋がればいいんだけど...結果オーライだけど、なんか動機が「軽く」ないかな???。

ヨロズ文化財って大切に守ってきた人々や伝えていこうとする人々の「思い」の集約なんでないかいな...モノだけ有ったって、ハコだけあったってやっぱアレだよな...なんてコトを、個人的に大好きな「軒下」で考えたのです。

JR上野駅公園口をでて信号渡ってすぐ。東京文化会館の「軒下」には、しょっちゅう日避け雨避けをさせてもらっておるです。クラシックの殿堂として知ってはおりましたが、恥ずかしながら名人による名のある建物だとは知りませんでした。ただただ軒下やエントランスホールで一休みすると妙ぉ〜に落ち着くなぁって思ってただけ。よくできた「庇」だよな、上野の森の入り口に便利なもの拵えたモンだわいな...って...

どーせなら上野の博物館群に東京文化会館足して日本独自に世界遺産申請すりゃいいのになぁ...東博の本館や表慶館は重文なんだし、「東京国立博物館を中心とする文化教育空間」とでもコジつければさぁ...そしたらワタシの好きな場所が世界遺産になって「みぃはぁ」としちゃ嬉しいんだけど(^◇^;)。

グズグズ考え込んでたら雨が止んだんで見に行った展覧会の感想文は後日。

P.S
国立西洋美術館が出来る迄の歴史って、小説みたいで面白いんですよ(^^)。んで、ほんとーに仏蘭西っぽい役割で仏蘭西が関わってくるですよねf(^ー^;。

そこそこ上野にゃ行ってるですが、動物園に入ったコト無いどころか「西郷さん」も見たことないです。公園口からまっすぐ行って、噴水のほうに「右折」するばっかでしてね。今度「左折」してみよ(^_^;)。

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Comments

うんにゃ,不可ませぬ.仏政府が何と言ってこようと,本館だけは未来永劫文化財指定などしてはナラヌw まぁ前川の新館や文化会館なぞは (下手だけど) 指定しても構わぬが…

その所以は本館の平面図を見れば一目瞭然.卍型と言いますか渦巻型になっておりますが,あれは将来的な収蔵品の増加に際して,エスカルゴが成長するようにグルグル継ぎ足して行くように意図されておるのでございますよ.つまり現状はホンのスタート地点,美術館のタマゴみたいなものなのでございます.

よって現状保存や重文指定などモッテノホカ,本来であれば裏の方にでも壁や床なぞのコンポーネンツを予め作り置きしておき,必要になったら可及的速やかにビシバシ継足して,常時増築中.というのが本来の姿(笑),そうなって初めて,今の外壁が内壁となるメビウスの輪のような面白さや,グルグル廻りの導線計画の楽しさが発揮されるのでございます.

…ってもう新館造っちゃったし遅いっすけどねぇ.みんな寄ってタカって神様に祭り上げちまいやがって,全く巨匠なんかになるもんじゃござんせんな.

ヨタは措いて,上野を重文に指定するなら,先に坂倉 準三の神奈川県立近代美術館を指定すべきでしょう.師匠の Le Corbusier の得意料理を,弟子の坂倉が成り代わって師匠より遥かに上手にやっておりますよ.正直,上野より巧いことは間違いない.あれは半世紀経ってるから問題ないし,鉄骨剥き出しにスレート外壁という傷み易い素材だから,手厚く保全せねばならぬです.

Posted by: 「い」 | September 06, 2007 at 09:37

>「い」様
そっかぁ...どんどん継ぎ足して増殖ってか成長させるコトが意図されていたのですね...そーいやモデュールを積んでどーのこーのって何かで読んだ記憶が今頃転げ出てきました。
黒川紀章の歴史民俗博物館もドカスカ増築するように意図されてると聞きましたが、こちらは今どうなっておるのでしょう???。あそこは周りに敷地いっぱいあるですけどね。

エントリ本文にグチャグチャ書きましたけど、「コルビジェだったらなんでもいいのかぁ???。他にも重文指定に値する建物はあるんぢゃねーのかぁ???」ってのがこの一件を報じた新聞記事読んでからアタマにあり、雨宿り中に妄想するきっかけになったです。
"カマキン"は建物もいいし日本最初の公立近代美術館ですし、コレクション方針も根性が入ってるし...成る程...。

まだまだ勉強すべきコトや見ておかないといけないモノが沢山あるですね...「みぃはぁ」としてはガサゴソウロチョロする楽しみが出来て嬉しいです(^^)。

で。

東博の法隆寺館(谷口吉生)は、なんか好きです。東洋館(谷口吉郎)も良く見ると面白い格好してます...どっちも展示室が見やすいし、そのうえ「お休みどころ」が空いてるんですよねf(^ー^;。

Posted by: 1sugi | September 06, 2007 at 10:38

既にご覧になってるかも知れませぬが…

谷口吉生でしたら,掛川の資生堂アートハウスを是非.あれは80年代初期ごろの竣工だと思いますが,当時一世を風靡していた目に騒々しいポストモダン建築様式をよそに,その端正と静謐は将に掃溜めに鶴と申せましょう.タダですしw
ワタシが初めて見たのは新幹線の車窓から一瞬だけでしたが,「まだ日本にこんな名匠が居たのか」という目に焼付くようなショックがありましたね.

父の吉郎は,これはもう馬籠の藤村記念堂がイチオシです.敗戦直後の混乱期に,村人のヴォランティアで建てたというスゴイ成立ちで,世相を反映して実にザッカケない材料しか使えてないのですが,そのインティメイトな空間の質の高さは,コストからでは推れないものがありますな.

Posted by: 「い」 | September 06, 2007 at 12:51

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