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September 13, 2007

♪こんぴらふねふね

konpira_2.jpg
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2007.9.5。
ここ20年っくらいで近世に対しての「貧農史観」というモノも修正されてきてるよな。とはいえ、その反動で何でもかんでも近世を礼賛しちまう動きもあるよな。それはそれで困ったモンではないかいね???
何てコト、東京藝大美術館で行列待ちしながら考えてたのは例によってワタシです。以下、例によって「金刀比羅宮 書院の美」を見てきての勝手な感想文です。

いえね。

近世も中期になりますと「講中」などと申しまして、みんなでお金を積み立て、有り難いカミホトケにお参りするという動きが出て参ります。「おいせさん」とか「こんぴらさん」を拝みに参ります。精進潔斎のうえ神様仏様を拝み、先祖を祀りにゆくのです...ったら堅いお役人だって道中手形出さないワケにもいかなかったらしゅうございますよ。

要は、

泊まりも重ねるワケだし...。そーなると各地の名物も「見え」ちゃうし、面白いコトも「起き」ちゃうし、長い留守を守ってくれた仲間に御利益分けなきゃいけないからお土産も「買わなきゃいけない」し、精進潔斎して満願となったら祓いも「しなきゃいけない」し...物見遊山???いえいえ滅相もございません、神信心でございます。申し上げたようなコトは「やむを得ず」おきてしまうコトでして...

っちゅーコト。今も昔も「こんせんさす」は大事(^^ゞ。

受け入れる方もコンテンツを充実させてニーズに応えるのが...もとい...神を荘厳し霊験を知らしめ善男善女を導くのが社寺の本分ですによって、建物の造作に建物を飾る障壁画等々にも力を注ぎ、都で評判の絵描きに新趣向を凝らして貰うコトは当然。

そんなこんなで金刀比羅宮にゃ近世中後期の作品が沢山残っているのでございます(^_^)b。

今回は書院の襖絵をただ単に並べるのではなく、展示室内に各々建てまわし、書院の空間を丸ごと再現してあるというのが目玉。展示室内に小部屋が沢山並び、あたかも廊下から眺めるかのようにそれらを見ることが出来るというコトでございます。

もちろん床貼り付け等々の壁に固定してあるモノを引っぺがして来るワケには行きませんので、そういった箇所はCANON社が天下に誇る大判プリンタ「imagePROGRAF」による原寸大出力で補ってございました(これがまた...最新技術ってスゲぇやってなモンで、多少「ひらぺったい」「金地の光りかたが違う」ぐらいで、事情を知らない&黙ってられたらマズ解りません(^^ゞ)。
現場の空間を再現するのが目的なんですから複製が混じってたっていいのです(^_^)b。いっそ丸々複製で一部屋作って「上がり込む」のも可、にしてくれてもよかったのにな(^^ゞ。

肝心の作品も良かったです。金刀比羅宮にふさわしく、武張らず格式張らずなんとも優しい...ってか「カワイイ」(^^;。

円山応挙ったら写実で有名。だけど生きてる虎なんぞあの時代の京都にゃ居なかったから...まぁ「毛皮」はあったろうし「猫」もいたろうし...よって「遊虎図」なんても「でっかいねこ」にしか見えないんですよね(^^;。どいつもこいつも何してても「丸々太ったアメリカンショートヘアー」みたいでカワイイのなんのって(^^ゞ。
ただし、ふんわりした毛皮を描くテクニックにはモノスゴイものがありました。全てを細かく描いてるワケじゃないんだけど、なんでこー「ふわふわのけがわ」に見えるかね???。

最近ブームの伊藤若冲はやっぱ「変」。いいけど「変」(^_^;)。金地に丸く草花を沢山描いてる「花丸図」は見事だし、植物図鑑みたいだけど...こりゃ一体何の花???...いくら花卉草木がカラキシなワタシだって、こんな植物が有り得ないぐらいは解るぞぃ。それに何だって一々全てに「虫喰い」を描いちゃうのさ(^^;>若冲。全部に「虫喰い」が有るかどうか近距離単眼鏡で確かめたワタシもヒトのコトいえないけどねぇ(^◇^;)。


...昔の人が見たらどうだったのかな、歩いて見に行ったんだよな。いくら近世後期だって、駿河から四国へは遠すぎて行けないかったろな。西国の人だって「こんぴらもうで」なんて一生に一度行けるかどうかのモノだったんだよな。現在ルーブルにモナリザ見に行くより大変だったろな。原則カタギの女性は旅に出れなかったハズだし、いくら物見遊山がついてまわるとはいえ、「本気で信心してた=そーでもしなきゃ生きて行けない時代」だったんだし...

ま、コムズカシイことは、いっか。

「みぃはぁ」が「物見遊山」に「出開帳」を見に行っただけなんだし、ね(^^)。

P.S
近世の旅について手っ取り早く概略をお知りになりたければ...

今野信夫 著「江戸の旅」(岩波新書 黄349)

がよろしいかと(^^)。

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Comments

すみませーん、質問ですう。
「襖絵」てのは、立った目線で見るべきなのでせうか。それとも正座した時の目の高さでせうか。

芸大の展示は、立っている観賞人の目の位置が、座敷に座っている人の目の高さに思えたんですね。全体に高めに展示されていたので。

まあ、ご老体の入場者が多かったので、それはそれで良いのかなとは思います、はい。

あとは、もちっと照明が瀬戸内の春の「ぬるい」光だと良かったんですけどねぇ(笑)。

Posted by: akira isida | September 13, 2007 at 22:16

>isida様
>>視線の設定
ワタシも現役離れて久しいのでアレなんですが...

通常の「立ってみる」のが前提の館内展示ですと、床から140cm以内ぐらいに絵の中心が来るように展示するのが一般的でし。
今回の作品は近世の襖絵。仰せのとおり畳に座って鑑賞するように描かれております。よって70cmぐらい持ち上げ、展示室で見るのに丁度良くなるよう案配したと思われます。
この辺は館により展示品により予想される観客数により案配されます。工芸品のケースの立ち上がりは1m近いです。

>>照明
最新の展示室&照明技術でも限界があります。光をくまなくあて、作品の細かいところまで勉強できるようにするのが使命でもありますから...やっぱ現地の何年に一度かの大開帳を自然光で見るのが一番のようです...やっぱ「こんぴらまいり」は今も必要みたいです(^^ゞ。

Posted by: 1sugi | September 13, 2007 at 23:32

某社・・・
大判プリンタ結構力入れてますからねぇ・・・
わざわざリンク張っていただき多謝であります(^^ゞ

いちおワタシも某社のプリンタ屋さんですが、imagePROGRAFは全然事業外です。

そもそも某社の「ブランドマーク」付いた製品にほとんどかかわってないしなぁ(笑)

Posted by: komi | September 13, 2007 at 23:41

> 昔の人が見たらどうだったのかな、歩いて見に行ったんだよな。いくら近世後期だって、駿河から四国へは遠すぎて行けないかったろな。

それがそうでもなかったようです.と申しますは,金毘羅さんは船乗りの神様ですから,船で行くことがけっこう多いようなのです.
何を隠そう我が曾祖父や,その悪友たちはコンピラマニアだったらしく,(何が主目的なのやら言わずもがな) フラリと船を仕立てて気軽に行ってしまうことが多かったと伝わっておりまして,現在でも我が家にはしょーもない金比羅みやげの押絵なぞが残存しておりますね.

まぁ,網野史学ってのもウサン臭いところはありますが,そういう海洋民の移動性については,あながちホラでもないのかな.とワタシなぞ思う次第.

Posted by: 「い」 | September 14, 2007 at 01:35

>komi様

いくら優れたプリンタでも一発では決まらないだろな、何回修正したんだろ???...などとクダラナイ事が気になってもいましたf(^ー^;。

にしましても。そりゃ安いモノではありませんし、用紙やインクの代金も考えねばなりませんが、随分価格が下がったモノですねぇ>大判プリンタ。

催事の多い会社さんとかでは、PCコミで買っちゃったほうが外注に出すより安いかもですね。

Posted by: 1sugi | September 16, 2007 at 12:21

>「い」様

船乗りさんが航海安全の神様を拝みに行く...「正しい」理由でございますねf(^ー^;。

で。

やっぱアレですね。近世って時代は長いし、地域間格差はあるし、ひとくくりに「こーだったんだ」って言い切るコトは出来ないですね。イロイロとモザイク状になってますものね。

歴史的事実は変化しないけど史観は変化する。それを辿ることでそれぞれの時代の様相を論ずる...こーゆー「研究史」「史学史」って最初にやるんですけど、これ結構面白いです、地味だけどf(^ー^;。

Posted by: 1sugi | September 16, 2007 at 12:41

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